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雪の日に祝福を・・・。
第3章 予定通りの結婚式
「明日の13時から式場でリハーサルと両家の顔合わせだから遅れないで。」
言い捨てるように告げて玄関に向かう。
「お姉ちゃん!」
「もうすぐ他人になれるわ。」
玄関先で冷たく言い放つ。
「ごめんなさい。」
「謝ったって許されないことがこの世には、あるってよ~く判ったでしょ?これで名実ともにあなただけのお父さんとお母さんよ。」
パンプスに足を入れて振り向きもせずに家を出た。
「月依っ!」
家を出ると煌々と月が雪道を照らしている。声を掛けられたが振り向いたら泣いてしまう。
「月依・・・」
「悠葵のばーか。瑠々を倖せにしないと許さないわよ。」
もう手放したのだ。
「月依、ごめん・・・」
「私を不幸にするんだから倖せにならないと許さないから。」
「月依・・・・・・」
後ろから寂しい背中を抱き締めるしかない。