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雪の日に祝福を・・・。
第3章 予定通りの結婚式
「大っ嫌い・・・・・・」
「うん。」
「馬鹿。嫌いなんだから。」
時間が止まればいい・・・・・・と思える瞬間だった。
満月の中最後の時間が過ぎて行く。
「月依・・・」
「もう、戻って。」
「でも・・・・・・」
「瑠々が待ってるわ。あなたは、もう瑠々の婚約者なのよ。また婚約者を裏切るなんてダメよ。」
「判ってる。でも、もう少し・・・・・・」
「なにを言ってるの。私は、帰るわ。」
止まって欲しいと願った時間を自分で切り裂いて彼の腕を振り払って駅に向かう。
》 》
本当に愛していた。愚かしいほどに消えることもない初めて手に入れた自分だけを見つめてくれる愛だと・・・思っていた。
しかし奪われてしまえば愚かで惨めな自分がよく見える。
愛していたのに。こんなにも・・・どうして伝わらないのだろう。