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雪の日に祝福を・・・。
第1章 手記
「!!?」
「なに?忘れていたの?」
「・・・よく、お隣の家の子の誕生日を覚えているね。」
他人に言われて初めて今日と言う日のことを思い出したがツッコまれない為に笑顔で返した。
「そんなことより。お父さんは、早く帰れるの?」
「心配しないで。1人でお留守番くらい出来るから。」
おばさんの追求から逃れる為に走って家に入り鍵をした。
「大丈夫。瑠々は、病気なんだから。」
グッと手を握り締めて自分に言い訊かせる。
「さぁ、お洗濯しなくちゃ。」
妹の部屋に向かう。
》 》
私の妹・瑠々は、病弱だった。 未熟児でこの世に生まれてきたこともあってなのかすぐに体調を崩しては、熱を出していた。
母は、いつも〝健康に生めなかった〟ことを申し訳ないと思っていたように見えた。だから最優先事項は、いつも〝妹〟だった。