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雪の日に祝福を・・・。
第1章 手記
私は、付属品かなにかだったんだろう。初めは、判らなかった。疑問にも思わなかった。
しかし幾つ目かの不平等を受けて〝寂しく〟〝哀しく〟ことなどだと気が付いてしまった。
《 《
「月依ちゃん。」
「秋山 医師《センセイ》。瑠々の具合は、どうですか?」
病院の多目的ルームで本を読んでいると妹の主治医が声を掛けてきた。
「うん。だいぶ落ち着いたよ。月依ちゃんは、どうかな?」
「えっ?」
急に目の前に膝を折り目線を合わせられて本を落としそうになる。
「月依ちゃんの具合は、どうかな?」
「急になんですか?」
医師《センセイ》の言っていることが判らない。
「もっと我が 儘《ママ》を言ってもいいんだよ。」
「!!?」
医師の言葉にドキリとした。そんな言葉を掛けられたことも、思ったこともなかったからだ。