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雪の日に祝福を・・・。
第4章 呪縛の門出
「出来てるんでしょう?早くちょうだい。」
シーンと静まり返る同僚に手を差し出す。
「いや、まだ・・・」
「仕事もしないで噂話していたの。」
「ごめん・・・すぐに。」
「宜しくね。私、15時から用事で居ないんだから。」
慌てている同僚にハッキリと嫌味を告げて席戻る。
》 》
職場でも居場所を残しておかなければいけなかったから嫌味も噂も軽く受け流せて動じない人間を装わなければならない。
ストレスは、溜まる一方。そして渇望・・・。
お酒を飲み干し眠りに落ちても・・・すぐに目が覚める。
お膳立てした結婚式が私をより深く蝕んでいく・・・
《 《
「席順、決まったのね。」
仲良く打ち合わせをする2人に声を掛けた。
「お姉ちゃん・・・」
「あぁ、邪魔しちゃったわね。」
「いいの、なにか用?」