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雪の日に祝福を・・・。
第6章 年下の男の子
「いや、さずがに・・・」
「しっかり、味わって。」
「え?」
「居心地の悪さと気まずさを。」
「意地悪するなよ。」
「慣れないと、ね。」
キーボードを触る手を止める。
「私たちがこの状況に慣れないとね。お互いに職場を変える気は、ないんだから。」
自分に言い訊かせる言葉でもあった。
「そうだよな。俺のやったことは、消えないんだ。」
「そうよ。慣れるしかないの。」
少し前までは、すぐに傍に居たいのに今ではとても遠い。
「此処で、食べるよ・・・」
「どうぞ。」
平静を装うのが上手くなったものだと自分に笑いが込み上げる。
》 》
私は、蝕まれていく。
本心を隠して平静を装って暮らしていく。あの頃は、それで精一杯だった。
そんな生活の中でも癒やしは、フとやって来て私をあの忘れていた感情の中へと押し戻そうとしてくる。