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雪の日に祝福を・・・。
第6章  年下の男の子
  


 グラスを拭きながら指摘してみる。


「年末で商社は、忙しいの。いつもの倍働いてるから寝不足なの!」


 ムキになって答えてしまった。


「そんなにムキになって・・・」


「なに、そのため息は!」


「相変わらず嘘が下手だなぁ、と思って。」


「〝嘘じゃない〟。本当に寝不足なんだから。」


 もう1度強く言ってしまう。


「はいはい。仕事大変だなぁ。」


「あっ、馬鹿にしてる!」


「してない、してない。」


「もうっ!」


「すみませんね、皆さん。やかましいのが居て。」


 周りに居る他の客にフォローを入れる。


「マスターも子守上手だね。」


「それ程でも。」


 恨めしくカウンターの端から見つめている彼女を判っていながら常連たちと笑い合う。


「(子ども扱いしたわね!)
  お酒ちょうだい!」


「だから・・・お前に飲ませる酒は、ない。」


  
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