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籠鳥 ~溺愛~
第19章          

「そうなんだろ、美冬ちゃん」

 高柳が美冬の近く寄り、膝を折った状態で覗き込んでくる。

 ふるふると必死に首を振る美冬の鼓膜を「馬鹿な……」という鷹哉の声が震わせた。

「軟禁――? あいつが、そんな――」

 額に片手を付いて愕然とした表情をした鷹哉に、美冬は首を振ることしかできなかった。

「………っ!」

(違う、違う、私が、望んだ――

 心の根底で私が望んだことを、鏡哉さんが実行しただけ!!)

 三人の間に、重苦しい沈黙が下りた。

 美冬が首を振るさらさらという髪の音だけがしていた。

 なにが本当で、何が嘘なのか、混乱して分からなかった。

 沈黙を破ったのは、鷹哉だった。

「申し訳ない……本当に申し訳ない!」

 ソファーから立った鷹哉は、あろうことか美冬の目の前で深く頭を垂れた。

「………!」

 いきなりの事に美冬は目を丸くする。

「あいつの犯した罪は、親である私の責任だ」

「謝らないでください!」

 気が付くと美冬は泣き声のような声で叫んでいた。

 その声に鷹哉がはっと面を上げる。

「や、やめて、ください……私も、望んだんです。鏡哉さんと、一緒にいたいって、そう望んだんです――」

 頬を熱い涙が零れ落ちていく。

 泣いたってしょうがないのに、涙が溢れるのを止められない。

「……鏡哉が君を軟禁してしまった理由について、私は心当たりがある」

 鷹哉がおもむろに口を開いた。 

「鏡哉は小学生の時、親族のものに性的虐待を受けていた」

「………………」

(……今、なんて――?)

 ほうけた様に自分を見返してきた美冬から、鷹哉は苦しそうに目を逸らす

「発覚するのも早かったしカウンセリングにも通わせたから、中学生のころは立ち直った様だった。だが――」

 鷹哉がそこで言葉を区切る。

「アメリカの大学に留学している時、中学時代から付き合っていた鏡哉の従妹が事故で亡くなった」

「………っ!」

 美冬の胸がずきりと痛む。

 両親の墓参りに行った時の鏡哉の表情を思い出す。

 どこが、ここではない遠くを見つめる目。

 あれは亡くなった彼女を見ていたのだ。

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