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籠鳥 ~溺愛~
第4章
「美冬ちゃんは欲しいもの、全然口に出さないよね」
「え?」
ふと真面目な声で返され、美冬は上目づかいに鏡哉の表情を伺う。
「一年以上一緒に暮らしてきても、君はいつも自分の欲しいものを口にしなかった」
「そ、そんなこと」
「だから嬉しいんだ。少しでも私のことで焼きもちを焼いてくれたことが」
どきん。
美冬の心臓が大きく跳ねる。
頬が熱い。
真摯な瞳で自分を覗き込んでくる鏡哉から目をそらしたいような、そうでないような。
「美冬ちゃん、私は君が――」
(え……?)
「君が、愛おしくて愛おしくて、しょうがない――」