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籠鳥 ~溺愛~
第9章
美冬は何度も小さく達しては、鏡哉にこすりあげられまた快感に打ち震える。
「ああ、美冬……たまらない――」
鏡哉の切なそうな声が鼓膜を震わし、また美冬は鏡哉のものを締め付けた。
一層深く鏡哉が貫いたと思ったら、
「ああっ……!! くっ!」
鏡哉は苦しそうな声を上げ、美冬の中に解き放つ。
熱い何かが美冬の奥深くを満たす。
「あ、き、鏡哉さ……!」
(鏡哉さんのが、私の中に――!)
そう思ったときには、美冬はまた意識を手放していた。
何度夢と現実を行き来したのだろう。
気が付くと美冬は鏡哉の膝の上に乗せられ、下から突き上げられている。
コツコツと鏡哉の雄の先が美冬の中をノックする。
痛いほどの快感を与えるそれに、美冬はしょっぱい涙を流しながら耐え、溺れる。
もう二人分の体液でぐちゃぐちゃのそこはもう二人の境界線がわからないほど、溶け合っているようだった。
「あぁ……ぁあん! ……はぁ」
もう思考もドロドロで言葉にならない。
(鏡哉さん! 鏡哉さんっ!!)
愛おしくて、恋しくて、何が何だか分からない。
美冬は甘えるように鏡哉の胸に頬をこすり付ける。
それに気が付いた鏡哉から髪にいくつものキスが落とされる。
体を繋げることで、少しでも自分の気持ちが届けばいいのに――美冬はそう思いながらまた意識を手放した。
さんざん美冬を抱いて自身も疲労困憊で眠りについていた鏡哉は、一本の電話で目を覚まされた。
腕の中にはぐったりと眠っている美冬の裸体があった。
眠ったままの美冬を起こさないよう注意深く抱きしめていた腕を抜くと、リビングの子機で電話に出る。
『社長! 何度も携帯に電話をしたのですよ』
第一声から不満の声を漏らした相手は、秘書の高柳だった。
「今何時だ?」
『もう昼の13時です。15時からの役員会議には出席していただきます。今、そちらに向かっておりますので、急いで支度をしてください』
「……分かった」
役員会議では鏡哉が独断で進めている買収のせいで、どうしても抜けるわけにはいかなかった。
気だるい体に鞭を打ちバスルームに入り、出勤の用意をした。