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陽向の恋
第7章 七
「三浦!酔ったら俺に寄りかかって良いぞ!」
「三浦さん!課長に寄りかかったら、変なウイルスうつされますよ!寄りかかりたいなら俺に!」
おっぱい戦争。これを陽向はそう呼ぶのだろう。二列長いテーブルを並べられた旅館の大広間。そこのはしっこで、加地課長と杉本さんに挟まれながら、私はグラスに注いだオレンジジュースを飲む。
「結構ですから……」
向かい側のテーブルで食事している陽向の視線が怖くて、食事が喉に詰まりそう。見てるなら助けてくれ。グラスを持ったまま、私は陽向へ目で助けを求める。
「三浦、俺はな、三浦がいつも仕事頑張ってるな~と思ってたんだ」
「俺は!三浦さんっていつも気が利いて可愛いなぁ~と思ってたんです!」
だが、加地課長が右から私の首に腕を回し、杉本さんが左から私の太腿に手を置く。その行動に驚いて、目を見開いた。
「セクハラですよ!二人とも!」
加地課長の隣に座っている花菜が助けようとしてくれるも、課長も杉本さんも酔っていて聞く耳を持たない。
「……苗……好きだ……」
顔が真っ赤になって、アルコールの匂いを纏った課長。が私の耳元に唇を近付け、話す。すると杉本さんが目をギラッと光らせ、狼の如く襲いかかってこようとした。
「三浦さん!俺も……!」
途端、遠くから飛んできたペットボトルが杉本さんの顔を直撃し、杉本さんは畳に倒れたが。