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ひとりエッチ
第3章 平凡な日常に求めることは
目の前に倒れている人を助けないと!

「いっ……つっ」

おきあがろうと、右手首に力を込めるとズキっとした痛みが走った。
左手でアスファルトを押して、自転車が乗っかった右脚を抜いて立ち上がった。
幸い脚はなんともないようだ。
それより前の人!!!

「あの!大丈夫ですか?」

わたしよりも先に倒れていた人がその言葉を放った。

「あなたこそ!大丈夫ですか?」

立ち上がってるその人をみて脚は大丈夫だと確信した。



「あのっ…す、すみませんでしたっ!
お怪我はございませんか?」


「あぁ、俺はなんともないけど……」

優しそうなイケメンだと思ったけれど
発した声が少し無愛想な印象。
目にかかる不揃いな前髪を鬱陶しく思っているような
鋭い切れ長の目つきが印象的だった。
その人の右手がわたしの右手首を掴んだ。

「いたっ…」

「右手首やってるみたいですね……」

なんでわかったんだろうと不思議そうにその人の顔を見たのがバレたのか

「さっき起き上がりにくそうだったから…」

そう、説明してくれた。

「だ、大丈夫です」

掴んでくる手をそっと振り払うようにしたけれどその人は離してくれなかった。

「とにかく病院にいきましょう
近くにあるんで」

「いやあの、本当に大丈夫ですから!」

彼は無視してわたしの自転車を起こした。

あ、サドル!
みられるとやばい!

でも、なんと言えばいいのか言葉が出なくて、仕方なく自転車を押して歩き出した男の人の後ろを歩くことにした。



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