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冷たい微笑み
第5章 無かったこと
大丈夫、私と勝山課長は離れた席に座っている。

気の知れた社員も居てつい、飲み過ぎた。

吐きそうで奥にある女子トイレまで間に合わない。

倒れこむ都の腕を引こうとしたが

地べたに座り込んだ。


「都…大丈夫か?」

「…無…り」

都は 勝山に抱きつき 吐いてしまった。

そこからタクシーに乗って勝山課長の家へ

案内された。

「うぅ…」

「ったく 飲み過ぎなんだよ。」

常温の水を渡され 口に運ぶ。

「汚い…と思わないんですか?」

「思わないよ。」


都は高校の夏、コンパへ行き 一人酔いすぎて

街中のベンチに寝て友人に介抱されたことが

あった。その時に去った青年は

介抱せず、引くわーと口を開き帰っていった。



「…ごめんなさい。」

部屋の中の灯りは消され熟睡した。
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