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第1章 好きな人
「あ、いえ。こちらこそ時間取らせてしまって、すみません」
そう言って彼の姿を改めてみる
こんなに真正面から見るのなんて、あの日以来かもしれない
とても細くて、長い脚
綺麗な顔立ちに思わず見とれてしまう
「あの、何か?」
無言で見つめていたことに気づく
「な、なんでも。あ、お話は、あるんですけど⋯」
緊張しておどおどしてしまう
「⋯私のこと、覚えてますか?」
「⋯もしかして、痴漢の⋯?」
パッと心が明るくなる
「そうです!」
「随分前の事だったが、印象的な方だったので、薄ら記憶には残っていました」
印象的⋯?まああんな出来事早々ないし印象にも残るか⋯
結果的に痴漢は私に幸をもたらしたらしい