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第1章 好きな人


(祐介⋯)

その時初めて、名前を見た

(祐介くんかあ⋯)

何度も心の中でその名前を唱えながら、ドキドキと胸を高鳴らせていた

(いくつなんだろう⋯同い年かな⋯)

こんなにも何も知らない相手のことを好きになるなんて、思いもしなかった

ピコン

『少し驚きましたが、大丈夫です。話というのは、直接じゃないといけない話なのでしょうか?』

少し間を置いてから

『すみません⋯どうしても直接言いたくて。いつでもいいので、お暇な時間はないでしょうか?』

こんな素性の知れない人間と会ってもらえない可能性もある

私は祈った
承諾してくれることを

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