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スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第5章 五週目
(…なんか…なんか、もやっとする…)
スグリ姫は、だんだんお腹が痛くなってきて、眉をうっすら寄せました。
「お作りになるコンフィチュールが宝石のようで…限定品でしたので、買うのも大変でしたのよ」
「…こんふぃちゅーる…」
「お作りになる所を見せてくださる特別な催しにも参加しましたのよ」
「そうそう。お席を取るのが、大変でしたわね…にこりともしないで、魔法のように果物を扱われて」
「…にこりとも…まほう…」
姫の眉間には、ますます皺が寄りました。
(なんか…その人、誰かに…)
先程年を勘定してみた、にこりともせず魔法のように果物を扱う人物が頭をよぎりましたが、姫は急いで打ち消しました。
(…ううん、無い無い!無い、王子とか、絶対無いっ)
「催しのとき、ほんの少しだけお話されたのだけど、その言葉遣いがお悪くって」
「そのギャップがまたよろしゅうございましたわよね、お姉様」
「ええ。『食うために作ったもんを投資に使うやつなんざクソ食らえ』とかおっしゃってましたわよね」
「!!!!!!!」
「コンフィチュールが、限定品でしたでしょう?値を吊り上げるために買い占める輩が出てきたりしておりましたのよ 」
「それで果物王子さまが催しの際に一喝されて…そのあと、馬鹿な買占めは鳴りを潜めましたものね」
「まあ!それは、ご自分のお仕事に自信が無いと、なかなか言えませんことね」
「………」
レンブ妃は「王子さま」に感心しておりましたが、体調不良のスグリ姫は、先程から黙ったままでした。
なぜなら姫の脳内で、少し前に聞いた台詞が良く知っている人物の姿形声を伴って、そのまんま再生されていたからです。
(…王子…なんなの、その王子…っ…!!!)
スグリ姫は、頭痛と腹痛を感じながら身悶えするという、器用なことを致しました。
(もしかしたらっ…もしかして、)
もしかしたら違う可能性もありますが、もしかしてもしかすると、姫は「果物王子」を良く知っているのかもしれません。
大臣の言っていた「家を大きくした先代の手腕」には、もしや、そんなとんでもないものまで含まれていたのでしょうか。
スグリ姫は、だんだんお腹が痛くなってきて、眉をうっすら寄せました。
「お作りになるコンフィチュールが宝石のようで…限定品でしたので、買うのも大変でしたのよ」
「…こんふぃちゅーる…」
「お作りになる所を見せてくださる特別な催しにも参加しましたのよ」
「そうそう。お席を取るのが、大変でしたわね…にこりともしないで、魔法のように果物を扱われて」
「…にこりとも…まほう…」
姫の眉間には、ますます皺が寄りました。
(なんか…その人、誰かに…)
先程年を勘定してみた、にこりともせず魔法のように果物を扱う人物が頭をよぎりましたが、姫は急いで打ち消しました。
(…ううん、無い無い!無い、王子とか、絶対無いっ)
「催しのとき、ほんの少しだけお話されたのだけど、その言葉遣いがお悪くって」
「そのギャップがまたよろしゅうございましたわよね、お姉様」
「ええ。『食うために作ったもんを投資に使うやつなんざクソ食らえ』とかおっしゃってましたわよね」
「!!!!!!!」
「コンフィチュールが、限定品でしたでしょう?値を吊り上げるために買い占める輩が出てきたりしておりましたのよ 」
「それで果物王子さまが催しの際に一喝されて…そのあと、馬鹿な買占めは鳴りを潜めましたものね」
「まあ!それは、ご自分のお仕事に自信が無いと、なかなか言えませんことね」
「………」
レンブ妃は「王子さま」に感心しておりましたが、体調不良のスグリ姫は、先程から黙ったままでした。
なぜなら姫の脳内で、少し前に聞いた台詞が良く知っている人物の姿形声を伴って、そのまんま再生されていたからです。
(…王子…なんなの、その王子…っ…!!!)
スグリ姫は、頭痛と腹痛を感じながら身悶えするという、器用なことを致しました。
(もしかしたらっ…もしかして、)
もしかしたら違う可能性もありますが、もしかしてもしかすると、姫は「果物王子」を良く知っているのかもしれません。
大臣の言っていた「家を大きくした先代の手腕」には、もしや、そんなとんでもないものまで含まれていたのでしょうか。