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スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第7章 幕間
「あ?…あー…おはよおぉ、バンシルー…」
「…っおはようございます。スグリ姫様」
扉を叩いてスグリ姫の部屋に入ったバンシルは、寝台に近付いてびくっとしました。
寝起きの良くないことが多いスグリ姫が、今朝は起こさないうちから、突然がばっ!と起き上がったのです。
「…あー…あれ、…ゆめかぁ……ゆめみてたぁー…」
「夢?」
「ん…なんか…すごーく、いいゆめー…」
「あら、それはようございましたね。どんな夢ですか?」
いい夢を見たから今朝はちゃんと起きられたのかしら、と思いながらバンシルが聞くと、スグリ姫はふにゃんと笑い、ふわぁあ、と大きなあくびをしました。
「あー…すっごくいいゆめ……どんなゆめかー?……んー…わすれちゃっ……たあ…」
「姫様!せっかく起きたんですから、ちゃんと起きて下さい!」
「んー……んふふふー…いいゆめねー…いいねー…」
「ほら、もう、起きますよ。」
バンシルは、一度起きたのにまた幸せそうに布団にずるずる崩れていったスグリ姫を、ゆさゆさゆすりました。
「スグリ姫様、起きてください。今日は、王様と王妃様との、お誕生日前の謁見ですよ。」