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スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第8章 七週目と、その終わり
「うっ…重いぃぃ…ばかっ…」
一緒に崩れはしましたが、病人を放って置く訳にもいかず。
スグリ姫はなんとか息を整えて、ぐったりしてぜえぜえ息を吐いているサクナの下から抜け出しました。
自分の最低限の身繕いだけ終わらせて、まずは、目の前で汗だくになっている体を拭いてやることにしました。
「…ほんっと、どうしようもないばか…」
上着をめくって、盛り上がった背中の筋肉が谷間を作っている背骨の辺りに溜まった汗を拭きながら、スグリ姫は溜息を吐きました。
病人の癖にこんなことして、とは思うのですが、その「こんなこと」は、結局は自分も望んでいたことでした。
スグリ姫は、大臣と王の問いに、ずいぶん長く一人で悩んで、今朝その答えを出しました。
けれど、サクナがこうして帰って来て、無理矢理であっても抱き合った今は、悩んだことが馬鹿馬鹿しいほど、満たされているのを感じていました。
目の前でうつ伏せになっている婚約者は、崩れ落ちるまでは色々やらかしてくれましたが、その後はぐったりと何もできないままなので、背中の下はお尻が半分出たまんまと言う情けなさです。そんな情けない姿を見ても自分がサクナを好きなのが、なんだか可笑しくなって来て、姫は二人とも馬鹿なのねと、くすっと笑ってしまいました。
「…ばーかばーか、サクナのばーか。」
汗を拭くにはお尻が出てる方が都合良いけどね、と思いながら、姫は太腿とお尻と腰の汗を拭き、出来る範囲でズボンを上げてやりました。
「…あれ?こんなとこに、」
上げるついでに、さっき噛まれた仕返しにお尻をぺちんと叩いていたら、呼吸とともに上下している腰の窪みのあたりに、大小二つのほくろが並んでいるのを見つけました。ここに噛み付いてやろうかしら、と思いながらそれに唇を寄せていると、弱った声が聞こえてきました。