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スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第8章 七週目と、その終わり
「あ?あ、えっと…随分経つから、もう吸わなくっても平気…よっっ?!」
スグリ姫が慌てて止めると、不機嫌を音声に変換したような、低い唸りが耳に届きました。
「…お前……何に刺されてんだ…」
「へ?あれ??サクナ?」
赤ちゃんから大人に戻ったの?と言う間も無く。
「ん、あ?ちょ、や…きゃぁああんっ!?」
スグリ姫は、赤ちゃんから姫を刺した虫に妬く狭量な婚約者に戻った男に、無理矢理刺し貫かれておりました。
「あ!あ、やっ、あ、サクナっ…んっ、熱いっ、」
「…知るか」
相手は、病人です。
「ね、だめっ…んっ、あんっ、病気っ、なのにっ」
「放っとけ、」
こんなことをしていたら悪化する、ということは、分かってはいるのですが。
「っやぁ、あ、だめぇっ、だめって…ぁああん」
久しぶりに触れた恋しい人の肌は、否応無しに姫の体を震わせて、苦も無く蕩けさせました。
「…クッソ…俺だって、痕なんざ、付けたこと、無ぇってのに、」
サクナはそう言うと、かぷりと姫の肩に噛み付きました
「きゃ、いたっ…ぁ、んんんっ!」
「せっかく…白くて、綺麗なままっ…」
「あ、ああ!?やっ」
噛み付いたと思ったら、今度は虫刺されの痕の近くに唇を付け、強くちゅうっと吸い上げました。
「は、ぁんっ!!あ、やぁ、いっ、」
「こんの馬鹿っ…」
スグリ姫は悪態を吐き続ける婚約者を見上げました。先程まではあどけなく見えていた熱のある眼が、今はぞくぞくするほど色気を纏って見えました。
「あ…っ!や…、っちゃっ…んっ、だめ、っ…あぁん、やっ、あん!」
「クソっ…お前もイッとけっ」
すっかり子どもでは無くなったらしい熱のある婚約者は、最後まで悪態を吐きながら、くったりしてしまった姫と一緒に、寝台を軋ませて崩れ落ちました。