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アムネシアは蜜愛に花開く
第5章 Ⅳ 歪んだ溺恋と束の間の幸せ

「やだ、ちょ……」
「杏咲、好きだよ」
「んむぅぅぅぅ!!」

 怜二さんに唇を無理矢理奪われ、帯を解かれていく。
 抵抗する手は両手をクロスにして頭上に押さえられ、怜二さんの乗ったわたしの下半身は重みで動かない。

「やだ、怜二さん、やだって……んんんんっ!!」

 巽の見ている前で、抱かれたくない。
 そう思っているのに、女はなんて非力なんだろう。

「広瀬っ、やめろっ、やめるんだっ」
「巽くん、よそ見しちゃ駄目よ。さあ、由奈とちゅうしましょう。んん……」

 横目で見る巽は、上から覆い被さる由奈さんにキスをされていた。

 嫌だ。嫌だ。
 巽、巽、由奈さんとキスしないで!!

「杏咲もよそ見したら駄目だよ、ほらいつものように喘いでご覧!」

 怜二さんがわたしの胸を貪った。

「やああああ」

「広瀬っ!!」
「巽くん、抵抗しないでよ。だったら由奈が、その気にさせてあげる。……口にでしてあげるね、由奈お口でするのうまいんだ。きっと巽くんも悦ぶと思うよ」

 由奈さんが巽の浴衣の裾を広げて、下着を下ろす。

「由奈、やめろ!! お前、俺が好きじゃねぇんだろ!? こんなことをするな!!」
「好きじゃないけど……、由奈、寝取られ趣味があるんだ。だからね、興奮するの。由奈の大好きなひとが、他のひととセックスしているのを見るのは。それで最後にそのひととセックスすれば、もう鼻血ものの大興奮じゃない? だから巽くんも協力してよ」

 由奈さんが、巽の元気のない肉棒を手の平で包んでいる。

「ふふふ、勃ったらどれくらいの大きさになるのかなあ。私の中、奥まで突ける?」
「由奈っ!!」
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