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アムネシアは蜜愛に花開く
第3章 Ⅱ 誘惑は根性の先に待ち受ける

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 度々メディアで目にしているアムネシア本社は、鏡張りのなだらかな曲線と凸凹具合が心地いいモダンな建物で、百をゆうに超えるアムネシア社員を包括することが出来る。

 ルミナスが静岡に工場を置いていたのに対し、アムネシアは埼玉に工場を置いているが、研究施設や品質管理部門は、アムネシア本社で行うようだ。

 アムネシア本社は七階建てで、主要棟が左右に二つ、それを結ぶ形で少し前に迫り出た中央棟の合計三つで構成されており、左の棟はアムネシア化粧品運営としてそれぞれの部課が、中央棟は主に打ち合わせやミーティングルームや休憩所の他、上階には重役室が。右の棟は研究部門として、白衣を着た男女が日々身体に優しい成分配合や、品質改良など化学的・生物的な研究をしている。

 高温続きのこの真夏、ギラギラとした太陽光を吸収して熱中症で倒れるほど建物内温度が上昇しそうだと思いきや、一年を通して適温となる集中管理をされていたり、常に清掃員が掃除をしていて清潔感が漂い、建物構成自体もストレスが溜まらない広々とした造りになっており、それに慣れぬルミナス社員は気後れしそうな心地を抱え、横に寝そべってもおつりがくるような広い廊下の端に、身を縮こまらせて歩く。

 対してアムネシア社員は、顔だけで選んだのかと疑いたくなるような化粧映えする妖艶な美女と、スーツフェチなら萌えるだろう美男達ばかりが闊歩しており、同じ東京にいながらも、都会人と田舎人のような環境の差が歴然だった。

 強気で本社に入ったルミナス社員は、ほどなくして惨敗の気分を味わっただろうが、これでもアムネシアは業界トップではなく、もっと歴史も由緒も正しい上がいる。
 所詮アムネシアは成り上がりでしかなかった。
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