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囚われる…
第2章 幻の頭
しばらく考え込んだ岩さんから
「なら、歌舞伎町の楼蘭(ローラン)ってclubを調べてみろよ。」
と言われた。
「ローラン?」
「これも噂だが、その楼蘭のオーナーが幻の頭だという噂だ。」
「なら、警察だってガサ入れ(家宅捜査)くらいはして調べが終わってるだろ?」
「犯罪が行われていない一般の店をガサ入れなんか出来る訳がないだろ?」
岩さんは苦笑いをする。
幻の頭である以上、その店が暴力団の資金源になっているという暴対法の大義名分すら使えないと警察は二の足を踏んでいる。
それほど幻という存在は厄介だという事だ。
「当たってみるよ。」
「何か掴んだら、必ずこっちに寄越せよ。」
岩さんが俺に心配そうに言う。
情報が欲しいだけでなく…、それだけ相手が危険だから場合によっては警察で俺の保護をすると言っている。
「その時は頼みます。」
ひとまず、欲しい情報のきっかけが出来た以上は行動をするしかないと思った。
幻の頭…。
警察ですら幻の扱い…。
だが間違いなくその男は存在をする。
確かにネタとしては面白い。
文才がないから俺に出来るのはカメラを抱えて突撃取材をする事くらいしか出来ない。
所詮はフリーでしか活動が出来ない身分。
もう少し賢けりゃパパラッチ辺りを上手くやるんだろうが、どうもゴミ漁りをしてまで相手のスケジュールや行動のネタを掴んでとかが性に合わない。