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囚われる…
第2章 幻の頭
まずは岩さんに貰った情報の裏付けに回る。
club 桜蘭…
確かに、その店は存在をする。
但し、歌舞伎町の中でも外れのほとんど人通りなどない様な道に店舗を構えている。
オーナーはチャイニーズ系の会社。
法人の記録を調べたが
唯 兄龍(い けいろん)
という偽名臭いオーナー所有としかわからない。
外資系は個人情報が掴みにくい。
やっぱ、定番の張り込みかよ?
周辺のマンションなどを調べてその店を張り込み出来そうな場所をピックアップする。
運良く、解体前のテナントを一時的に借りる事が出来た。
家主曰く、あの楼蘭が出来てから変な嫌がらせが続く為に店子が付かなくなり、そのうちにその場所を買い取りたいという不動産の申し出が来たから売る決意をしたといういわく付きの物件。
解体販売までの3ヵ月を貸してくれると言うからそこが張り込みの拠点になる。
「ゴミだけは出さないでくれ。」
それが家主の条件だ。
火の不始末で火事などは困ると言う。
タバコは吸わない。
張り込み中は飯は食わない。
トイレだけ使えればそれでいい…。
水道代は自分開栓で開けて貰い自分で支払う約束も取り付けた。
後は楼蘭の情報をこの拠点で集めるだけの事だ。
今回の張り込みは初めの一週間だけが24時間だが翌日からは定時の張り込みになる。
相手は店舗で居住ではない。
営業時間外にも人の出入りを確認したが休日などは全く動きがなく無駄な張り込みになる。