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囚われる…
第2章 幻の頭



いや…、そもそもこの一週間も無駄になりそうだと思う2週目に突入をしていた。

何故なら毎日男が夕方の5時にやって来る。

そして6時になれば店の看板などに灯りが灯る。

ここまでは普通の店と変わらない。

そして入り口に黒のスーツを着た黒人のボディーガード的な男が立つ。

問題はそこからだ。

そのボディーガードは0時きっかりに店に入る。

店の灯りが消え、5時に来た男がまた店の戸締まりをして店から出て行く。

その男について調べたが昔は自分でそれなりにこの歌舞伎町で店をやっていた男らしいという事だけがわかった。

だが男はごく普通の男で、男を知る人間は


「今は雇われ店長をやっているって聞いたよ。」


というだけだ。

問題は男が入店をして退店をするまで、誰1人としてそこに出入りをしないという事実だ。

従業員すら見当たらない。

いや…、黒人のボディーガードが居る。

しかし、彼が入店をしたり退店をしたりした形跡が全く皆無という状況だ。

この通りはほとんど無人…。

あるのは非合法な民泊と空き家だけ…。

唯一の店舗は今俺が張り込みをしている場所だが、ここに店を構えると嫌がらせを受けるという。

誰がなんの為に?

幻の頭に謎の楼蘭というclub…。

全く情報は掴めないまま、ひと月が過ぎていた。

諦めて他のネタを拾いに行くか?

そう思いたくなる。

一度だけ試しに顔の割れていない知り合いを酔っ払いのフリをさせて黒人のボディーガードに接触をさせてみた。


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