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囚われる…
第3章 楼蘭



雇われ店長が出入りをしていたのは俺を引き付ける為の囮か?

全く動きがなければ俺も他の方法を考える。

だが店長という噂の男が一応でも出入りをしていれば何かがあると思いそこに踏みとどまってしまう。


「なんで…、そこまでする必要がある?」

「店に行けばわかるさ。」


そう言っている間に真っ白な世界の中に唯一の真っ茶色の木の扉が見えて来た。

観音開きの大きな扉…。

高さは3m近くある。

その扉の前に立っただけで扉はゆっくりと開かれた。


「いらっしゃいませ…、ようこそ楼蘭へ。」


真っ赤な絨毯に大理石の壁…。

着物を着た年配の女性が4人にその後ろにドレス姿の若い女の子達が10人ずつくらい居る。

だがあくまでもそこは受け付けやクロークの様な場所だ。

男が脱いだ革のコートと俺が脱いだ軍用のジャンパーを蝶ネクタイの男が受け取りに来た。


「この男だけはわかるだろ?」


男が俺を馬鹿にしたように言う。

蝶ネクタイの男は俺が張り込みをして調べていた男だ。

店長どころかただのクローク担当の下っ端だ。

全てが仮面に閉ざされた謎の店…。

クロークを抜けて更に木の扉が開くと広い空間が現れる。

まるでホテルのロビーのような広間…。

天井からは馬鹿デカいシャンデリアが幾つも垂れ下がってキラキラと輝き、重厚な木と磨りガラスの敷居で仕切られたBOX席がある。

席に使われるソファーはビロードの輝きを見せている高級ソファー…。

まさに究極の会員制clubと言って間違いない。


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