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囚われる…
第3章 楼蘭



何!?

反射的に馨を突き飛ばそうとはした。

しかし、身体は全く動かないまま硬直をする。

舌が俺の唇を無理矢理に分けて入って来ると思うと口の中にはバーボンの香りが広がり、辛いバーボンが俺の喉に向かって流し込まれていた。

ゲホッ…!

強いバーボンの香りにむせた。

喉が焼けるように痛くなる。

我に返ったように身体が動いてくれる。


「何…、すんだよ…。」


やっと馨の口と手から逃れられる。


「気付けの酒…。」


馨がまたニヤニヤとする。


「やめろよ…、気持ち悪い。」

「何故だ?」

「馨さんは男で俺は男だからだよ…。」


その瞬間、腰が抜けそうな感覚に襲われた。

マジックミラーに手をついて自分の身体を支える。


「何を…、飲ませ…た…。」


軽く舌が痺れ出す。

心臓の鼓動が耳に聞こえるほど激しくなる。


「大丈夫だ。ただの漢方薬で怪しげな薬とは違う。」


再び馨が俺の腰を背中から抱いて来る。

マジックミラーに爪を立てた。


「うわぁぁぁ!?」

「大丈夫だ。すぐに楽になる。」


耳元に馨の声がする。

全身が熱くて脳までもが沸騰しそうに感じる。


「水…。」

「ほら…。」


首が無理矢理に捻られて馨の口が俺の口に重なって来る。

またこじ開けられた口にバーボンが流し込まれた。

ゲボッ…

吐き出そうとしても半分が喉に流れ込む。


「け…い…び…。」


舌が痺れて上手く言えない。


「大丈夫…。抵抗をすれば、ますます苦しむ事になるだけだぞ。」


馨の手が俺のダンガリーシャツを脱がせTシャツの上から胸の辺りを撫で始める。


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