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囚われる…
第3章 楼蘭



身体が勝手に反応をする。

呼吸が荒くなり喉が渇く…。

手足はいう事を効かないのに馨の手の感触だけがTシャツの上から感じる。

柔らかい指の腹がサワサワと俺の貧弱な胸板を撫でている。

デカい手のくせに整った綺麗な指先が俺の身体を翻弄するように触り続ける。


「や…めろ…。」

「なんで?岡野 匠?28歳、独身。フリーライター…。家族は今は東海地区に住む祖母だけ…。両親は早くに亡くしている。その両親の為にお前は帰国子女だったんだよな?」


馨が俺の経歴を耳元で囁く。

何故だ?

そんな疑問しか浮かばない。

始めから俺の事を調べ尽くしてから接触をして来たのか?

下手をすれば俺はここで消されるのか?

恐怖が身体中を支配する。

いや…、馨が俺を支配している。


「銀行口座の暗証番号は変えた方がいいぞ?クレジットカードもな。まぁ、限度額が30万程度のカードなら捨てても惜しくないカードだな。」


馨の指先が俺の乳首を弄り始めた。


「なんで…?」


何故、俺をそこまで調べる必要があった?

目の前には国を代表するような顔ぶれが優雅に酒を飲んでいる光景が広がっている。

こんな連中が揃っていれば俺の個人情報なんかあっという間に調べ尽くして拡散が出来るという事か?

身動きが出来ずに惨めな自分に涙が出そうになる。


「あんっ…。」


馨の愛撫に思わず声が溢れる。

身体がビクビクと動いてしまう。

股間が熱くて何かが突き上げる感覚だけが何度も襲って来る。

やめろよ…。

男にイカされるとか死にたくなる。


「お前に興味が湧いた…。」


馨が俺の耳にまたリップ音をさせてキスをする。



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