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囚われる…
第3章 楼蘭
あぁ…、楽しいよ。
自分に笑っちまう。
なんで…俺にこんな事をすんの?
俺が幻の頭を求めたから?
頭…
ねぇ…、あんたに逢いたくて堪らないよ。
幻の頭に向かって動かない手を伸ばそうとする。
「可愛い顔をしやがって…。」
クックッと笑う馨の声がする。
あんたが頭なのか?
身体が熱くて堪らない…。
車のエンジン音がする。
馨に抱きかかえられたままの俺の身体には発車をした軽いGがかかる。
「んぁ…。」
身体が敏感になっていて、ほんの少しの刺激に反応をしてしまう。
「気持ち良さそうな顔だな。」
唇を馨の唇が喰んで来る。
舌が口の中へと押し入り、唾液が上手く飲み込めずにグチュグチュと妙な水の音が耳に聞こえて、口の端からその水が流れ出す。
「涎を垂らすほどとは淫乱な体質だな。」
喉にまで流れた水を馨が指先で拭って来る。
全てがわかるのに身体は動かず、思考する事も出来ない。
「けい…じ…さん…。」
「着いたぞ…。」
また馨に抱き上げられた。
どこかを移動する感覚…。
ドサッ…
ベッドのスプリングを背中に感じながらも意識を保つのに必死になる。
どこだ?ここ?
服が順番に脱がされていく。
火照った身体にひんやりとしたベッドのシーツが少しずつ意識の覚醒を促してくれる。
「随分と汚したな…。」
ジーパンもトランクスも剥ぎ取られて馨がクスクスと笑っている。
逃げなければ…。
朦朧とする頭で本能だけが働く。
手を付き膝を付く。
四つん這いになった途端に馨がまた背中から俺を抱きかかえるようにして覆いかぶさった。
「卑猥な格好をして…、誘ってんのか?」
背中にリップ音がして馨が舌を這わせ出す。
馨の手が再び俺の胸をまさぐるようにして撫で始める。
「あぁ!」
嫌なはずなのに…、気持ちがいいとしか感じない。