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囚われる…
第4章 馨…
「何の漢方薬だよ!?」
「普通の興奮剤だ。別に常用性も発生しねぇし、普通に体外に排出される。」
「さっぱり意味がわからねぇ。」
広い湯船に馨が抱きかかえるようにして俺を入れる。
「夕べ、お前でイケそうになった。なのにお前が寝ちまったから女を呼んだ。女とは2時間近くやったが全く反応しなかった。」
俺の頬にまたキスをしながら一方的に馨が話す。
「抜かないと人を殺したくなるって…、なんでだよ?」
「お前なら耐えられるのか?あの楼蘭という世界を見たお前はこの先は自由に生きる事は許されない。そんな状況で尚且つ身体と心のバランスを保つ事が出来ると思うのか?」
馨のキスが続く。
孤独を感じる。
巨大過ぎる秘密の中で生きる孤独…。
多分、馨が人を殺したいと願えばそれが叶う世界。
その衝動を押さえる為にSEXを望む馨は衝動があまりにも大き過ぎてオーガニズムに達せない。
嫌なはずなのに…。
馨をまだ知りたいと思ってしまう。
「腹は?」
「減った…。」
風呂から出て馨が俺を丁寧に拭いて来る。
ブカブカのバスローブを着せられた。
「俺の服は?」
「汚れたから洗濯をしている。夕方には戻って来るから心配をするな。」
そんな会話の間中でも馨は俺にキスを繰り返す。
俺が馨のものだから?
初めて手に入れた玩具を壊れるまで遊び続ける子供と馨が重なる。
リビングのソファーに座らされた。
「少し待ってろ。」
馨がキッチンへ向かい、料理を始めた。
「なぁ、俺はもう帰れないのか?」
機嫌良く料理をする馨に聞いた。
「いや…、帰りたいなら帰ってもいいぞ。」
馨の意外な言葉に耳を疑った。