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囚われる…
第4章 馨…



「帰ってもいいのか…!?」

「あぁ…、但し安全は保証しない…。」


そんな恐ろしい言葉が返って来る。


「馨は楼蘭にとってのなんなんだ?」


恐怖を誤魔化すように質問をする。


「世の中は全てがパズルのピースだ。表があれば当然のように裏も存在をする。そのピースが足りなければ世界は完成をしない…。俺はそのピースを探して埋める役目を負っている。」


相変わらずの抽象的な答えに理解が出来ずにもどかしくなる。


「何故…、楼蘭という世界が存在する?」

「楼蘭はもうない。」

「どういう意味だ?」

「ジャーナリストだろ?自分で確かめろ。」


俺の前にあるテーブルにサラダやパン、スープなどを馨が並べていく。


「食え…、帰るなら刺激物は今日は食うなよ。」


それだけを言うと馨が俺を抱え出す。


「飯が食えねぇよ。」

「食わせてやろうか?」

「つか…、馨は食わねぇの?」

「食欲がない。」


どういう奴なんだ?

夕べから馨が寝た姿も見ていない。

怪しげな薬が入ったバーボンを飲んでいた馨…。


「ちゃんと飯を食って、寝ないからバランスが崩れるんだよ。」


俺が食っていたパンをちぎって馨の前に出してみた。

俺の指ごと馨がパンを口に入れる。


「俺は食うな…。」

「なんで?」


またお構い無しに俺の胸を馨の手が撫で始める。


「飯中はそういうのやめろよ!」

「なら早く食え…。俺はまだイッてねぇ…。」


男となんか嫌なはずなのに…。

無理矢理に馨が作ったスクランブルエッグとパンを口に押し込んでスープで流し込んだ。


「食った。ごちそうさん…。」


馨が嬉しそうに笑う。


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