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囚われる…
第4章 馨…



確かにあった…。

楼蘭が空き地になっている。

そんな馬鹿な!?

真っ白な通路…。

真っ白なエレベーター…。

そんなものは始めからなかったかのように50坪程度の空き地が広がっている。

地面には不審な点は見当たらない。

地下通路は間違いなくあったはずだ!

馨は楼蘭はもうないと言っていた。


「そんな馬鹿な!」


人通りのないその道で叫んでいた。

俺が借りた空き店舗はちゃんと存在をしている。

中には俺の荷物がそのままあった。

鞄から携帯を取り出す。

着信歴と留守番メッセージが溜まっている。

すぐ近くの駐車場に俺の車もある。

車に乗り込み携帯に充電器を差し込みながら着信歴の奴にかけ直す。

スピーカーにしてドリンクホルダーに携帯を差し込むと携帯に相手が出た。


『たくちゃんか?』


携帯の向こうから声がする。


「井坂さん?どうしたの?」


着信歴に10回以上も足跡を残した人…。

芸能専門の週刊誌の編集部の人だから、滅多に俺に連絡をくれる人じゃない。


『たくちゃんはDQの編集部の久保田さんとは仲が良かったよな?』


急かすように井坂さんが聞いて来る。

久保田さんとは今回の幻の頭のネタを持って来いと俺に言った人だ。


「あぁ…、まぁ、普通の付き合いだよ。」


個人的な付き合いは2~3回ほど居酒屋に呑みに行ったという程度だ。


『たくちゃん、ニュースを見てないのか!?久保田さんが凄い事になってんだぞ!だから久保田さんを知る人間としてたくちゃんにインタビューが出来るかと思って連絡をしてたのに連絡がつかないから…。』


井坂さんが興奮をしている。


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