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囚われる…
第4章 馨…



雑誌編集部の妻殺し…。

そんな記事が一気に画面に連なった。

内容の確認をする。

久保田さんが7時に自宅へ帰ると妻が寝室のベッドでナイフに胸を刺されて死亡をしていた。

そして7時半に久保田さんが警察へ通報をする。

だが、娘の証言で父親である久保田さんは6時には帰宅していたという事と外部からの侵入の形跡がなかった事…。

極めつけは凶器であるナイフからは久保田さんの指紋が検出された事からその夜には逮捕が決定された。

俺が楼蘭に居た時刻…。

久保田さんに何が起きたんだ?

あまりの恐怖に身体が震える。

落ち着け…。

全てが偶然の可能性がある。

楼蘭は馨がもうないと言っていたのだから意図的に消去されたのだとは思う。

だが、岩さんや久保田さんに関しては偶然かもしれない…。

冷蔵庫から水を出し一気飲みをして落ち着きを取り戻そうと努力をする。

まさかな…。

嫌な考えが頭を過ぎる。

机の引き出しから高周波の小型トランシーバーを取り出した。

インタビューをする時などに自分の発言に怯えている相手はホテルなどの小さく隔離された外部とは遮蔽をしている部屋の希望をする。

しかも、やたらと口が重い。

自分の会話が盗聴をされているかもしれないという妄想を抱いているからだ。

そういうターゲットを安心させる為だけに盗聴は無いというパフォーマンスをする必要がある。

その為だけの小道具として使うトランシーバー。

一応、プロの盗聴バスターズが使用しているものと同じものだ。

トランシーバーのスイッチを入れる。

周波数をゆっくりと調整した瞬間だった。

キュィィィーン…。

トランシーバーが反応を示す。

嘘だろ?

部屋を見渡す限り侵入をされた形跡は全くない。

冷静にトランシーバーが反応を示す場所をチェックしていく。



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