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囚われる…
第6章 世界のバランス



「嘘だよ。もういいよ…。嫌いなら無理をして食う必要なんかないよ。」


馨の頬にキスをしてやる。


「匠…。」


本気のキスを馨が返して来る。


「飯くらいはちゃんと食おうぜ。」


馨に胸をまさぐられながらも、なんとか飯を食った。

馨も相変わらずだが、俺に合わせてそれなりに食うようになっている。

馨のバランスを保ってやる。

それが俺に必要な事…。


「匠…。」


Tシャツの上からサワサワと馨の手が這い回る。

今夜は寝かせないと馨が言った言葉に期待をする。

身体が馨の手に反応をしてビクビクと悦がる。


「そろそろ…、帰る?」


馨に聞いてみる。

俺の股間は馨のソフトタッチと寝かせないという言葉だけでもうパンパンに腫れ上がっている。


「その前に匠を連れて行くところがある。」


俺の耳にリップ音をさせながら馨が囁いた。

行くところ?

嫌な予感がする。

フレンチレストランを出ると馨が俺の肩を抱いて歩き出す。

少し向こうの通りに行けばナイトクラブなどがある飲み屋街になる。

心臓が爆発しそうなくらいにドクンドクンと高鳴り鼓動をする。


「匠…、大丈夫…。俺が居るだろ?」


俺の肩を強く抱き寄せて俺の頭にキスを落としながら馨は歩き続ける。

俺の不安がわかっているくせに、その場所へ俺を連れて行こうとする。

そして、少し高級感のあるナイトクラブへと馨が俺を連れて入る。

期待通りに真っ白な通路が俺の目に入って来た。


「何故…、楼蘭がここにもあるんだ?」


真っ白なエレベーターで地下に向かいながら馨に聞かずにはいられなかった。


「お前が言うところの楼蘭は世界中にあるからな。」


日本レベルの恐怖が世界レベルへと進化をする瞬間だった。


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