この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
囚われる…
第7章 忘却の彼方…
目が覚める。
髪が優しく撫でられる。
頬にキスをされた。
「起きたか?」
身体の奥へと染み渡る声…。
手を伸ばすと馨が居る。
愛おしそうに俺を見て俺の髪を撫で続ける。
「ここは?」
「バンコクの屋敷…。またしてもお前が意識を失くすから連れて帰って来た。」
馨がいつものようにクスクスと笑う。
全裸で同じように全裸の馨に抱かれてベッドの中に居るんだという状況は理解をする。
またしても…。
あのタイ版の楼蘭で俺は意識を失った。
原因は…。
「馨が戦災孤児ってどういう事だ!?」
掴みかかるようにして馨に聞いていた。
その程度の事でポーカーフェイスが当たり前の馨は優しい顔を崩さない。
チュッ…
軽く俺の唇にフレンチキスをする。
「お前の親みたいに医者って立場じゃなかった。ただお前の親と同じで俺の両親は戦場になっている国で俺を育てた。」
ゆっくりと、だが無表情に淡々と馨が自分の生い立ちを語り出す。
馨の両親は宗教の関係でボランティア的な事をしていたらしい。
父親は牧師の役目も請け負っていた。
そんな聖なる話をしながら馨の奴は俺の耳を舐めて手は俺の身体を撫でて性なる活動をしやがる。
はぁはぁと息が荒くなり馨の話を聞きながら馨の愛撫に身体を委ねる。
「教会では戦災孤児を保護していた。」
乳輪をなぞるように指先が円を描く。
乳首が勃起をして刺激を求めてしまう。
「教会の中ってつまらないんだよ…。」
小さな頃はやんちゃだった馨…。
今も性的行為はやんちゃなままだ…。
その日も何人かの戦災孤児と教会を抜け出して街で遊んで居たらしい。