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囚われる…
第8章 囚われる…



「更に淫乱になったか?匠…。」


クスクスと馨が笑う。

笑いながらも俺の乳首への愛撫をやめようとは絶対にしない。


「あぁ…、馨が…変なところ…触るからだろ?」

「匠の身体が触って欲しいと言っている。」


耳にリップ音がする。

ビクビクと身体が反応をして悶えてしまう。


「あぁ…、あぁん…。」

「こんな場所でして欲しいのか?」


また馨がクスクスと笑う。


「俺の家…、とりあえず…行こう。」


馨の首に腕を回しキスを求めていた。

唇を喰み、舌を絡ませる深いキス…。


「行こうか…。」


俺の荷物を持ち、俺の肩を抱いて平気な顔で馨が歩き出す。

花火帰りの他の人間から好奇の目で見られる。

狭い田舎町…。

明日には俺はゲイだという噂が充満をする町。

この町を出よう…。

馨と行かなければと思う。

ほとんど思い出せないのに、馨と居なければとばかり考えてしまう。

俺の家に着くなり、馨が俺にキスをする。


「せめて俺の部屋に行くまで落ち着け…。」


一応、馨をたしなめる。


「匠がすげーいい顔をするから待てない。」


俺の腰を抱きキスをしながら俺の部屋までヨロヨロと向かう。

俺の一人暮らしの万年床…。

適当に服なんかも散らばっている。


「匠…、いい加減になったな…。」


馨が呆れた顔をする。

東京に住んでいた時はそれなりにきちんと片付ける方だった。

今は孤独だからといい加減な生活になっている。


「馨が悪いんだろ?」

「俺のせいか?」


あっさりとTシャツを脱がされる。

肩にキスをされて抱きかかえられたまま万年床に寝かされた。



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