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僕の彩芽
第12章 十二
* * *
「きゃー!素敵な部屋!露天風呂付きじゃない!」
さくらさんは部屋へ入るなり、興奮した様に目を輝かせた。
旅館に到着し、女将さんから案内されたのは露天風呂付きの離れ。10畳はあるだろう和室と、隣にも襖を挟んで和室があった。
豪華だ。……値段高そう。
「旅館の温泉もある。夕飯の前に入ってくるか?さくら」
「入る入る!行こう~っと」
秋人さんと話すと、そのままブランドのショルダーバッグを肩に掛けて、さくらさんは部屋から出ていく。
「俺も入ってきます」
続けて豪が出ていくと、部屋には私と秋人さんの二人だけになった。
……えっ?!皆行っちゃうの?!置いていかれちゃったよ……。
「秋人さん、私達も……温泉行きますか?」
部屋に立ち尽くしたまま、恐る恐る目の前に立つ秋人さんへ尋ねる。
そんな私へ、秋人さんは耳を疑う様な言葉を言い放った。
「ポチは俺と此処の露天風呂に入るんだ」
……え?露天風呂?秋人さんと……?えぇぇぇ!