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僕の彩芽
第12章 十二

 そうか。本能か……。それでもやっぱり、エッチするのに自信がない……。

 頬へ口付けを受けながら、どう抵抗しようか考えた。だが、右手で顔を掴まれ、秋人さんの方へ強引に向かせられる。

「こっち向け」

 瞬間、秋人さんの唇により塞がれた唇。

 熱い……。体も顔も、温泉の湯と口付けのせいで蕩けそう。

「んっ……」

 早く、どうにかこの場から退散したい。それなのに……もう少しこうしていたいと思うのは、恋の力ですか?って、私誰に聞いとるんじゃ……。

 強く上下唇を吸い上げられながら、私はうっとりと秋人さんを見つめた。
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