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僕の彩芽
第12章 十二

「んっ……んぅ……」

 熱を帯びた唇同士が、一度も離れることなく重なり続ける。甘い口付けに、全身痺れた様に動けない。

 秋人さんはこんな事を色んな女の人としてたんだ……。優しく、普段の冷たさとは真逆。

 そのまま口内へ舌を差し込まれると、私はピクッと反応した。

「んっ……」

 ぬるついた舌が口内を這う。唾液を纏わせた舌を舌に絡められ、舌上を舐められるとゾクゾクする。

 ダメだ……やっぱり私には手に負えない。秋人さんからされるがまま、何も出来ないし……。エッチなんて絶対無理。気絶するかもしれない……。

「ポチ?キスも初めてか?」

 たっぷり口内を堪能した後唇を放して、秋人さんがクスッと笑う。それに恥ずかしくなり、私は焦りながら答えるも、後々失敗したと思った。

「豪と!しました……!」

「豪と……?いつだ?」

 明らかに不機嫌になり、尋ねてくる秋人さん。……まずい。余計な事を言ってしまったかもしれない。豪とのキスはむらついた豪から無理矢理されただけ。それを何と説明しよう……。

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