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僕の彩芽
第12章 十二

「俺から抱かれるのが嫌か?」

「ち、違います……!」

 大きな掌が頭から腰へ移動する。

 秋人さん、逆上せたふりって気付いてたんだ……!どうしよう。怒ってる……?!

「豪とはキスしたんだろ?豪になら抱かせるか?」

「そんなわけありません……!豪とのキスも、あれは偶然……」

「偶然でも許せない。お前が他の男とキスしたなんて聞いて、黙っていられない」

 腰に回された両手で抱き締められながら、冷酷に耳元で囁かれると背筋が凍り付いた。

 何でこんな事を言うんだろう……。嫉妬?これもペットとして?

「秋人さん……」

「お前以外、抱く気にならない」

「え……?」

「さくらも……俺が突き放したから出ていった」

「さくらさんを、突き放したんですか?」

 抱き締められたまま話される言葉に、呆然とした。

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