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僕の彩芽
第12章 十二
……あれ?さくらさんがいない。何処だろう……。
「え?ああ……忘れ物をしたので取りに来ました。それよりさくらさんは何処ですか?」
「……散歩に行った」
「散歩に?!もう夜ですよ!」
「ポチがいたら一緒に行きたかったらしいけどな……」
秋人さんの言葉に、少し驚いた。さくらさんはお酒を飲んでないから散歩にいっても大丈夫だろうけど……。秋人さんとさくらさん、何もしなかったって事……?
そう不思議に思っていると、煙草を灰皿に押し付けた秋人さんから手招きされる。
「彩芽、来い」
「はい……」
秋人さんは夕食の時、結構飲んでいた。顔色一つ変わっていないけど、酔ってる筈だ。その証拠に今、私の事を名前で呼んだ……。
鼓動を高鳴らせながら、私は秋人さんの隣に座った。
「違う。此処だ」
太腿の上を指差されると、素直に頷く。
「はい……」
「お前の座る場所は此処だろーが」
「すいません……」
当たり前の様に言われると、困惑するも嬉しくなった。秋人さんの太腿の上が私のものみたいだ……。
ドキドキしながら私が秋人さんの太腿に座ると、秋人さんがご満悦そうに口角を上げた。やはり秋人さんからはアルコールの香りがする。
「そうだ。なあ、彩芽……さっき露天風呂で逆上せたのは嘘だったろ?」
「えっ?!それは……!」
何でいきなり!
秋人さんからの質問に焦るも、頭を撫でられるとドキッとした。