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僕の彩芽
第2章 ニ
「というわけで、彩芽、お前はこれから俺の所有物だ。良いな?」
「はい……」
所有物。凄い響きだ。でも仕方ない。全部、借金のせいだ。借金をチャラにする為には、仕方ないことなんだ。
「後で誓約書を書いて貰う。じゃあ早速、家に帰るか」
「帰る……」
秋人さんが無表情でソファから立ち上がると、私は小さく呟いた。……私にはもう帰る家がない。だからやはり、秋人さんについていくしか、行き場がない。なんて悲しいんだろうか。
「お前だけじゃない。金の為に風俗で働く女は山程いるんだ」
「はい……」
此方を振り返って淡々と話す秋人さんに返事をすると、私はそのまま事務所から出ていく秋人さんの後をついていった。