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僕の彩芽
第2章 ニ

「ボクサーパンツの上から舐められても退屈で退屈で、いつの間にか寝てしまっていた……」

 だから寝てたのか――

「こんなに下手な女は初めてだ……」

 下手で助かったけどな――

「俺の家のペットにでもしようか?それとも召し使いが良いだろうか?」

 ペットでも召し使いでも、風俗嬢にならなくてすむなら何でも良いよ――

 ソファに座ったまま話す秋人さんの言葉を、ほっと安堵しながら聞いていた。だが続けられた言葉に、背筋を凍り付かせる。

「首輪に鎖を繋いで、一生飼ってやる。ホモエ」

 ……だからぁぁぁ!

「ホモエじゃないんですって!私は彩芽です!秋人さん!」

「彩芽?そうなのか?」

 秋人さんへ必死に弁明すると、秋人さんが不思議そうに尋ねてくる。結構良い人なんだろうか。風俗嬢にならなくて良いと言ってくれたし。首輪がどうのこうの言うところは怖いけど。

「……あの、本当に私、風俗で働かなくて良いんですか?」

「仕方ない。使い物にならないんだから」

「500万で私を買い取るんですか?」

「ああ。その代わり、俺の家で暮らして貰う。一生な」

 私からの質問に秋人さんが真面目に答えると、私は一瞬ゾッとした。一生か……重すぎる。私の人生、もう一生秋人さんに捧げないといけないってことだろうか。

「何で!秋人さん!俺は反対だよ!」

「豪、じゃあお前が彩芽を買い取るか?」

「それは……お断りだけど」

 不満そうに秋人さんの方へ近寄ると、大男は秋人さんの隣に座る。そして秋人さんの言葉に、私を見ながら答えた。

「くそ、ホモエ……」

 何か睨まれているのは気のせいだろうか……。もしかして大男って、秋人さんのことが?いや、そんなわけないか……。

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