この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の彩芽
第13章 十三
「俺の事が好きじゃないのか?」
「っ、……違います……」
「じゃあ来い」
「はい……」
否定するわけがない。恐る恐る私は、秋人さんの方へ近付いていく。
「なあ、ポチ。旅館の部屋に二人きり。これでも欲情しないか?」
秋人さんの前に座った途端、すっぽりと逞しい両腕に体を包まれて、クラクラと眩暈がしてしまった。
「だって、だって……」
「だって……?」
「私、使い物にならないんですよね……?」
そうっと顔を上げて秋人さんの顔を見つめると、秋人さんと目が合う。
「……なに?」
一瞬怪訝そうに顔をしかめ、秋人さんは私の頭を撫でた。
「まさか、そんな事を気にしてたのか?」
「そんな事じゃないですよ!女として、秋人さんを満足させられないのが私は嫌なんです……好きだから、ちゃんと秋人さんを気持ち良くしたいんです……」
「ポチ……」
泣きそうになる私を面食らった様な顔で見て、秋人さんはそのまま私の体をきつく抱き締めた。
「やっぱり俺のペットは可愛いな……。いや、ペットじゃない。彩芽は俺の大切な妻だ……」
「えっ……妻っ?!え、ええっ?!」
話が飛びすぎてやしないか?!昨日は恋人って言ってたのに!妻って!