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僕の彩芽
第13章 十三

「……彩芽……はぁ……」

 唇を離すと、辛そうに眉間へシワを寄せる。……やっぱり我慢させてるのかな……。そうだよね。隣ではさくらさんと豪がしていて、声とか聞こえてくるのに。興奮しないわけがない……。

「あ、秋人さん……私!私!って、あれ?!」

 少し動いた拍子に、秋人さんを布団に押し倒してしまった。

「すいません、秋人さん!」

 慌てながら秋人さんの顔を、上から覗き込む。

「……彩芽、お前、いい加減にしろ……」

 秋人さんは、秋人さんの腰に座る私を冷たく睨み、前髪をかき上げる。

「……帰るぞ。荷物、スーツケースに積めろ」

「えっ?」

「こんな生殺し状態でいつまでもいられるか。今すぐ帰る」

 ご、ご機嫌斜めだぁぁぁ!私のせいで機嫌を損ねてしまった。

「……すいません……」

 ペコリと頭を下げると、私は秋人さんから降りようとした。しかし、

「……秋人さん。やっぱり、まだ帰るなんて言わないで下さい……」

 ポツリと呟くと、そのまま秋人さんに覆い被さり、口付けた。

「彩芽……?」

 驚いている秋人さん。それでも私は、一生懸命口付けを続ける。
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