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僕の彩芽
第14章 十四

「蝶子が彩芽に何の用だ?」

「一昨日から彩芽と連絡つかなくて~」

「連絡?彩芽は携帯持ってねーぞ?」

 秋人さんの言葉にギクリとしたのは、私だけじゃなかった。リビングに入ってくると、蝶子さんはあたふたと慌て出す。

「いや、だから、あのね!彩芽ちゃん、元気にしてるかなー?って、気になってたのよ!」

 頼むから、エルで働いてたことだけは言わないでください!私は蝶子さんに必死で目配せした。

「……何か怪しいな。まさかお前、また彩芽を店で働かせてねーだろうな?」

 怪しんだように秋人さんが話すと、時が止まったように感じてしまった。

 何でこの人は……こんなにかんが良いのぉぉぉ!ヤバい!ばれそうだ!全体にばれてはならぬ!

「まさか!働くわけないじゃないですか!」

 必死で否定する。そんな私をジロッと見ると、秋人さんは私の肩に手を回した。

「そうだ、蝶子。俺と彩芽、結婚したから」

「えっ。結婚……?」

 驚いてる、驚いてる……。そりゃそうだ。まさか私と秋人さんが結婚するなんて思わないよね……。
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