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僕の彩芽
第15章 エピローグ
「運命とか信じてないけど、秋人さんと出会ったのは必然だったと思うようになったの。母親から売られて絶望していたけど、前向きになれた。それも秋人さんのおかげだよ。勿論、豪にも感謝してるよ……」
「彩芽……良い子だな……」
毛布で体を隠す私の頭を、豪が撫でる。
すると一瞬部屋がしんと静まり返った。
「……」
豪、諦めてくれるよね……?もう、手出してこないよね?そうドキドキしながら、豪の顔に目をやる。
「……それ聞いて、余計好きになったわ……」
「えっ?!余計?!えっ、えっ?!」
その言葉に、呆然とするしかなかった。
体に豪が覆い被さってくると、顔を青ざめる。
「ごめんな。彩芽」
「豪……あの……」
「俺、諦めねーよ?秋人さんから彩芽を奪ってみせる」
覆い被さられたまま、真剣な豪の顔を見て、私は頬がひきつった。
まずいよね。この状況……。一体何でこんな事に……。
「彩芽は、俺のだ」
そのまま呆けている私の顔に、豪の顔が迫ってきていた。獣の様な瞳をさせて――