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僕の彩芽
第5章 五

 同時に私は、助かった……と安堵する。

「チッ、誰だよ、こんな時に……」

 眉間にシワを寄せながら、豪はソファから降りてニットを着る。そして仰向けに倒れたままの私を睨んだ。

「おい、逃げんなよ」

 逃げれるわけないでしょ。ここ13階だよ。スパイダーマンしか無理だよ。

「分かりました……」

「服脱いで待っとけ。すぐに続きするから」

「?!」

 玄関の方へ歩いていく豪。そんな豪の言った言葉に目を見開いて、私は静かにドアの開く音を聞く。……続きって……スパイダーマンになりたい……そう切実に願いながら、ただ天井を見つめる事しか出来なかった。

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