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僕の彩芽
第5章 五
……――それから約30分経つと、リビングには蝶子さんの花のような笑顔が咲いた。
「ヤバいっ!超可愛いっ!写メ!写メ!」
写メ勝手に撮られてるし……。絶対可愛いとかお世辞に決まってるし……。
「ねぇ、豪!可愛いと思わない?!」
あれからすぐメイク道具を持って部屋に戻って来ると、蝶子さんはソファに座っている私へメイクを始めた。メイクなんてするの初めてで、退屈でしかなかったが……楽しそうにメイクする蝶子さんを見ていると、何故か私まで楽しくなっていた。
「可愛いんじゃねーの?蝶子さんには負けるけど」
「ほら!豪も可愛いって言ってるわよ!」
だからお世辞だってば……。豪がお世辞を言える事に驚いたけど。
「お願い、彩芽!うちのお店に来て!体験だけでも良いから!」
「でも……私は秋人さんに借金を返済して貰う代わりに、秋人さんの所有物になったんです。勝手に判断出来ません……」
「大丈夫よ!秋人さんには私から話つけるから!」
「でも……」
渋る私を抱き締めて、蝶子さんは耳元で囁いた。まるで悪魔の囁きのように。
「一月に1000万稼ぐ子もいるわよ」
「やります」
真顔で即答してしまった……。そんな私を嬉しそうに蝶子さんは見ていた。