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僕の彩芽
第7章 七
翌日、まだ秋人さんから買われて2日しか経っていないのか……。
「おはよう、ポチ。腹が減っただろ?朝食だ」
「おはようございます……」
寝室から出てリビングへ行くと、キッチンでフライパンを持ち、料理している秋人さんの姿が目に映り込んだ。シャツとスーツのズボン姿。リビングに掛けてある時計の針は12時を指している。
「寝過ぎだろ……」
でも仕方ない。昨日車内で、あんなことをさせられれば。運良くあの後、秋人さんが仕事へ戻ったから良かったものの。
「ポチ、朝食を食べたらシャワーだぞ」
「……」
キッチンから話し掛けられると、うんざりしてしまう。フレンチトーストだろうか。バターの甘い香りがする。でも、食欲が沸かない。
「絶対に……」
どうにかしてこの生活から脱出しないと!悪魔秋人にも復讐してから!
「ポチ、返事」
「はい!秋人さん!」
冷淡に話し掛けてくる秋人さんへ礼儀正しく返事をしながら、私は心の中で絶対逃げ出すと誓った。