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僕の彩芽
第7章 七
その為にはやっぱりお金だ!500万、秋人さんに気付かれない様にこっそり貯めないと!でも、どうしよう……蝶子さんのところでまた働かせて貰う?秋人さんに気付かれれば、今度こそ一貫の終わりだけど。
「ほら、朝食だ。来い」
「はい」
二人分のお皿を両手に持ちながら秋人さんがソファに座ると、私はその横へ座る。秋人さんは一枚お皿をテーブルに置いて、右手にフォーク、左手にもう一枚のお皿を持った。
「はい、あーん、ポチ」
やっぱりフレンチトーストだ!見たら美味しそう!
「あーん……」
「どうだ?美味しいか?」
「美味しいです……」
「可愛いな」
一切れ切ってフレンチトーストをフォークに刺すと、秋人さんは私の口へ運ぶ。私は頬が落ちるのではないかと思う程、上質なフレンチトーストに頬を緩ませる。そんな私の頭をよしよしと撫でる秋人さん。
「……」
まずい。ペットと主人の関係が完成しとるやないか……。
「ポチ、あーん」
また一切れのフレンチトーストをフォークに刺して口の前へ差し出されながら、私は顔を青ざめた。